「債務整理と任意整理ってなにが違うの?」「どのような手続きがあるの?自分でもできる?」
このようなことで、悩んでいませんか?
本記事を読むと
- 債務整理と任意整理の違い
- 債務整理の種類
- 任意整理の流れとメリット・デメリット
について分かります。
借金を整理するためには、手続きや言葉の意味について理解を深めておくことが大切です。詳しく解説していきましょう。
借金の整理を検討する場合は、手続きについて理解を深めておくことが大切です。言葉の意味や手続きの特徴を知っておけば、借金問題の解決策を検討しやすくなるでしょう。債務整理と任意整理の違いや手続きごとのメリットを解説します。
監修:弁護士 力武伸一
東北大学法科大学院修了。岩永法律事務所(現:弁護士法人岩永・新富法律事務所)にて勤務後、2018年に長崎県長崎市に力武法律事務所を開業。「皆様にとってより身近な法律事務所でありたい」を理念として掲げ、事件の種類や難易を問わずに取り扱っております。依頼主の不安を「より早く」大きな安心に変えることを意識し、法律についても分かりやすい説明を心がけています。
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債務整理と任意整理の違い
同じ意味の言葉として使われることが多い債務整理と任意整理は、意味が異なります。まずはそれぞれの具体的な意味を覚えておきましょう。
債務整理は借金を整理する手続きのこと
『債務整理』とは、契約上の返済方法以外の方法で残債を整理する手続きです。『任意整理』『自己破産』『個人再生』『特定調停』の総称として使われます。
4種類の手続きのうち、任意整理だけは裁判所を介さずに手続きを進めることが可能です。他の三つは裁判所を通して手続きが行われます。
債務整理を行う場合は、弁護士や司法書士など法律の専門家に依頼するのが一般的です。債務者が自分だけで手続きを行うことも可能ですが、高度な専門知識を必要とする上、書類の準備や債権者との交渉にかなりの手間や時間がかかります。
なお、時間をかけずに判断したい場合は、ライズ綜合法律事務所の無料減額診断の利用がおすすめです。
任意整理は債務整理の種類の一つ
任意整理とは、債権者と債務者の話し合いにより、裁判所を介さずに債務者の返済負担軽減を目指す手続きを意味します。4種類ある債務整理手続きの一つです。
一般的には、当事者間の交渉を弁護士や司法書士など法律のプロが仲介します。利息をカットしたり返済期間を延長したりして、完済を目指すのが基本です。
任意整理は、債務者だけでなく債権者にとってもメリットがあります。債務者が自己破産や個人再生を行うと総返済額が大きく減る一方で、任意整理なら少なくとも貸した分だけは返ってくる可能性が高いためです。
任意整理以外の債務整理の種類
債務整理の種類は、任意整理・自己破産・個人再生・特定調停の四つです。任意整理以外の3種類の手続きに関し、それぞれの具体的な内容を解説します。
自己破産
借金を帳消しにできる手続きが自己破産です。裁判所に申し立てを行い免責許可を得ることで、債務の支払いが法律上免除されるため、債権者は借金を回収できなくなります。
自己破産を行うと、自動車や持ち家など高価な財産は手放さざるを得ないのが実情です。ただし、破産後の生活維持に必要な最低限の財産や現金は、手元に残すことが認められています。
自己破産は、どうしても借金を返せなくなった場合の最終手段です。借金による精神的なストレスからは解放されますが、それなりにデメリットも大きい点に注意する必要があるでしょう。
個人再生
個人再生とは、財産を維持しつつ借金を大幅に減らせる手続きです。裁判所に個人再生を申し立て、再生計画が認可されれば、借金の総額に応じて返済額を1/5~1/10程度まで少なくできます。
住宅ローンを除く借金の総額が5000万円未満であることや、計画的な返済を続けられる安定した収入を見込めることなどが、個人再生の手続きを行うための条件です。
自己破産と異なり、個人再生なら自動車や持ち家を手放す必要がありません。裁判所を通すため、再生計画が認可されれば債権者が納得せざるを得ない点もメリットです。
一方、個人再生には『債権者平等の原則』が適用されることから、債務者の都合による偏った返済はできません。またブラックリストに載るため、一定期間は借入が制限されます。
特定調停
債権者と債務者の話し合いを裁判所が仲裁し、借金を整理する方法が特定調停です。原則として債務者本人が手続きを進めていきます。
任意整理と同様に、借金を減らせることや債権者を自由に選べることがメリットです。自己破産を行うと就ける職業に制限がかかりますが、特定調停にはそのような制限もありません。
ただし、特定調停は基本的に債務者自身で手続きを行うため、かなりの時間や手間がかかります。すぐに取り立てを止められない可能性がある点や、過払い金の返還を受けるのが困難である点もデメリットです。
任意整理を行える条件
任意整理を行うためには、最低限の条件をクリアしなければなりません。借金問題を任意整理で解決したいなら、以下の条件を満たしているかチェックしましょう。
安定した収入がある
任意整理では、一般的に3~5年かけて借金を返済する計画を立てます。任意整理を行う場合は、継続的な返済が可能となる安定した収入が必要です。
ある程度の金額を毎月返済できるなら、学生やアルバイトでも任意整理を行えます。毎月返済できる金額を割り出した上で、返済期間を調整することになるでしょう。
任意整理の交渉を行う際は、債権者から勤務先情報や家計状況の提示を求められるケースもあります。借金が大き過ぎて返済できる見込みがないと判断された場合は、任意整理での返済ができなくなるため、個人再生や自己破産も検討せざるを得ません。
返済をする意思がある
任意整理後に借金を返済する意思があるかどうかも、任意整理の交渉中に問われる条件の一つです。返済の意思がないと債権者に判断されれば、任意整理は失敗に終わる可能性が高くなります。
任意整理後の返済の意思を確認するために、債権者は過去の返済履歴をチェックします。借入後に一度も返済が行われていなければ、任意整理後も返済しないリスクが高いとみなされるでしょう。
一度も返済していない借入は、最初から返すつもりがない悪質な借入と判断されやすい点もポイントです。債権者から信用を得られない場合は、ほかの債務整理方法を検討する必要があります。
任意整理の流れ
任意整理を専門家に依頼した場合の大まかな流れを紹介します。手続き中にどのようなことが行われるのかを確認しておきましょう。
専門家に依頼をする
任意整理を行う場合は、弁護士や司法書士といった専門家に依頼するのが基本です。手続きを一任できる上、借金を大幅に減らせる可能性があります。
債権者からの手続き関連書類は、交渉の代理人である専門家に直接送付されるため、任意整理を行う事実を家族に知られることもないでしょう。債権者からの取り立てをすぐに止められる点もメリットです。
専門家に依頼した場合の費用相場は、着手金が1債権者につき2~4万円、減額報酬は減額できた金額の約10%です。多くの専門家は相談費用を無料としています。事務所に行く時間がない場合は、電話で相談できる専門家を利用してみましょう。
ただし、債務額によっては司法書士に依頼できないケースもあるので注意しましょう。
債権者への連絡や債務額の算出
債務者から依頼を受けた専門家は、最初に各債権者へ『受任通知』を送付します。受任通知とは、専門家が債務者の代理人になったことを債権者へ通知する文書です。
受任通知を受け取った債権者は、債務者に直接催促や取り立てを行えなくなります。一般的に、受任通知が送付されるのは依頼日当日または翌日です。
受任通知の送付後は、債権者に取引履歴の開示請求を行います。通常は2~3週間で開示されますが、債権者によっては数カ月かかる場合もあるでしょう。
取引履歴が開示されたら、利息制限法に基づく借金額を計算します。本来支払うべき利息が分かるため、利息の過払い分があれば取り戻すことが可能です。
任意整理の和解成立
利息の再計算を行った後は、専門家が返済計画について各債権者と交渉を行います。和解交渉に応じない債権者がいる場合は、特定調停により交渉を進めることも可能です。
債権者と和解が成立した後は、決められた条件で債務者が返済していくことになります。主な返済方法は、債務者が債権者へ直接返済する方法と、専門家経由で返済する方法の2種類です。専門家経由で返済する場合は、基本的に手数料が発生します。
債務整理の依頼から和解成立までにかかる期間は約2~4カ月です。債権者の数が多いほど、全ての和解が成立するまでの期間は長くなるでしょう。
任意整理のメリット
任意整理は、ほかの手続きに比べメリットが多い手続きだといわれています。どのようなメリットがあるのか見ていきましょう。
支払いの催促が止まる
任意整理の依頼を受けた専門家は、債権者に受任通知を送付します。貸金業法では、受任通知を受け取った債権者が債務者に直接取り立てを行うことを禁止しています。
最短で依頼日当日には催促が止まるため、債権者からの取り立てによるストレスから解放されるでしょう。精神的なプレッシャーを軽減することが可能です
催促が止まった後の債権者とのやり取りも、原則として専門家が代理人として全て行ってくれます。後ろめたい気持ちのまま債権者と直接話をせずに済むのもメリットです。
借金の返済額が減る
任意整理では、残債にかかる利息分をカットできるように交渉を行うのが一般的です。利息が減れば借金の総返済額も減るため、手続き後の返済負担を軽減できます。
和解成立日から完済日までの利息だけでなく、和解成立日までに発生する利息や滞納にかかる遅延損害金も、任意整理でカットできる可能性があります。
原則として元金は減らせませんが、利息制限法を超えた利息の超過分がある場合は、元金と相殺できるでしょう。取引期間が短い場合や借入総額が少ない場合は、利息を減らせないケースもあります。
手軽に手続きが行える
任意整理を専門家に依頼すれば、債務者自身が行う手続きはほとんどありません。交渉結果への返答や署名などの作業を行う程度で済むため、手軽に手続きを行えます。
任意整理を債務者自身が行うことも可能ですが、高い専門知識を要する上、かなりの時間や手間がかかります。そもそも債権者が交渉に応じてくれないケースもあるでしょう。
借金問題を抱えていることが周囲に知られにくい点もメリットです。債権者からの書類は全て専門家に届くため、任意整理の手続き中であることを家族に知られる心配もないでしょう。
手続きに時間をかけたくない人にも任意整理がおすすめです。自己破産や個人再生では裁判所に行く時間を作らなければなりませんが、任意整理なら裁判所に行く時間を省けます。
財産を残すことができる
自己破産を行う場合は、原則として一部の財産を除いた全ての財産が処分されます。個人再生の場合も、全ての財産を残せる保証はありません。
しかし任意整理なら、財産を失わずに借金を整理することが可能です。自動車や持ち家など、自己破産の場合は残せない財産も、任意整理であれば影響を受けません。手元に残しておきたい財産があるなら、任意整理を行うのがおすすめです。
担保付きの借入があるケースでも、任意整理の対象外としておけば、抵当権が実行されずに済む可能性があります。
任意整理のデメリット
任意整理にはメリットだけでなくデメリットもあります。専門家への依頼を検討する場合は、デメリットやリスクを理解しておくことも大切です。
ブラックリストに載ってしまう
任意整理を行うと、信用情報機関に金融事故情報として記録されます。いわゆるブラックリストに載っている状態です。
ブラックリストに載っている間は、新たなクレジットカードの契約が極めて困難になります。カーローンや住宅ローンを利用したくても、まず審査には通らないでしょう。
任意整理の対象にしていないクレジットカードを持っている場合も、ブラックリストに載った後は利用できなくなるのが基本です。ただし、いつまでもブラックリストに掲載され続けるわけではありません。任意整理の場合は、借金完済後約5年で情報が削除されます。
クレジットカードが使えないことに不便を感じる人は、デビットカードや家族カードを利用するとよいでしょう。
場合によっては交渉ができない
任意整理は、裁判所を介さずに当事者のみの話し合いで交渉を進める手続きです。専門家が仲介に入っても、債権者によっては交渉をうまく進められないケースがあります。
任意整理は債務者にとってはメリットの大きい手続きですが、債権者からすれば基本的にはデメリットしかありません。債権者の態度次第では、債務者にとってメリットがほとんどない結果に落ち着いてしまう場合もあります。
債権者の中には、全ての任意整理を断っている業者も存在するほどです。相手との交渉がうまくまとまらなかったり、交渉自体ができなかったりする場合は、任意整理以外の手続きも検討せざるを得ないでしょう。
まとめ
債務整理と任意整理は言葉の意味が異なります。債務整理は借金を整理する手続きの総称であり、任意整理は債務整理の手続きのうちの一つです。
任意整理には、支払いの催促が止まったり返済額が減ったりするメリットがある一方で、ブラックリストに載るデメリットもあります。ほかの手続きの内容もしっかりと理解し、自分に合った方法で借金を整理しましょう。
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