「闇金を利用した後、口座凍結されてしまった」
理由もわからずこのようなトラブルに巻き込まれたら、どう対応していいか分かりませんよね。
そこで今回は闇金から借金して口座凍結された際の対処法や、口座凍結される理由や予防策について解説します。
目次
口座凍結された場合の対処法
闇金から借金をしたあと、自分の口座が凍結されてしまった場合は以下の3つの方法で早めに対処しましょう。
【口座凍結された場合の対処法】
- 自動引き落としを変更する
- 口座凍結の解除を依頼する
- 弁護士・司法書士に依頼する
自動引き落としを変更する
まずはクレジットカードや光熱費、家賃などの引き落としを口座振替以外の方法に変更しましょう。
引き落としが出来ず支払いを滞納してしまうと、信用情報に影響します。
コンビニや銀行で直接支払える振り込み用紙での支払いがおすすめです。
口座凍結の解除を依頼する
口座凍結されていることに気づいたら、銀行に「どこの警察から口座凍結の要請があったのか」を確認しましょう。その情報をもとに、口座凍結の要請先へ解除の依頼をします。
このとき「犯罪に加担していない」という点を十分にアピールできなければ、口座凍結を解除してもらえないどころか闇金業者に関わりを疑われてしまいます。
銀行の利用履歴や借入の契約書など、参考になるものは全て準備しておきましょう。
弁護士・司法書士に依頼する
闇金を利用した際の口座凍結は犯罪が関与しているため、警察に直接依頼してもなかなかスムーズに解除してもらえません。そんなときは、口座凍結解除を専門に扱う弁護士への依頼をおすすめします。
専門家に必要な証拠を集めてもらえば、短期間で口座凍結が解除される可能性があるからです。また被害回復金分配支払申請によって、残高を取り戻す交渉も可能です。
闇金から借金した際におこる口座凍結とは
口座凍結が起こると、入金や出金、振り込みなど全ての操作ができなくなります。光熱費やクレジットカードなどの引き落とし先に設定している場合は、支払いを滞納している扱いになる場合も。そもそも口座凍結が起こる原因は、3つあります。
【口座凍結される原因】
- 不正利用された
- 債務整理の手続きをした
- 相続手続き中である
口座凍結は不正利用だけが原因だと思われがちですが、債務整理や相続手続きによっても実施されています。銀行カードローンの残高を債務整理した場合や、相続人が決まるまで勝手に利用できないように凍結されるなどのケースです。
「客振り」など闇金の不正行為によって口座凍結される
上記のように口座凍結される原因はいくつか考えられますが、闇金業者から借金をした際に起こる口座凍結は犯罪が関係しています。
闇金とは国からの認可を受けずに貸金業をしていたり、違法な金利での貸金や取り立てを実施していたりする業者のことです。闇金業者は利用者の口座を以下のように不正利用しており、これらが警察に見つかると口座凍結の対象となります。
【闇金業者の不正利用】
- 客振り
- 口座譲渡
- 口座売買
客振りとは、闇金業者が利用者の口座を融資に利用することです。
たとえばAさんが闇金業者にお金を借り、「b銀行の口座に返済してください」と指示を受けたとします。このとき闇金業者が指定したb銀行の口座は融資を依頼したBさんの名義である、これが「客振り」の仕組みです。
会社の口座情報を汚さずに済むため、闇金業者ではよく使われています。このような利用者からの返済をそのまま新たな債務者への貸金に充てる方法は違法であるため、警察に見つかると利用に使った口座は凍結されます。
さらに口座の譲渡や売買は詐欺罪にあたり、口座凍結だけでなく10年以下の懲役刑が課せられる場合も少なくありません。
参考:犯罪利用預金口座等に係る資金による被害回復分配金の支払等に関する法律
闇金から借金して口座凍結された場合の影響
口座凍結されると、口座名義人には以下の5つの影響を及ぼします。
【口座凍結によるリスク】
- 凍結された口座は使えなくなる
- 同一名義の口座も凍結される
- 新規での口座開設もできなくなる
- 預けた預金が分配される場合がある
- 警察から事情聴取をうける可能性がある
凍結された口座は使えなくなる
一度凍結された口座は、使えなくなります。給料振込やクレジットカードの引き落としなど生活する上で利用している場合、かなり不便になると考えられるでしょう。
クレジットカードの支払いを滞納すると、信用情報に傷がついて今後の借入やクレジットカードの新規発行時に大きく影響します。
同一名義の口座も凍結される
不正利用によって口座を凍結されると、対象口座以外の銀行口座もすべて凍結されます。
銀行に預けているお金を利用できなくなるため、生活はかなり不便になるでしょう。
新規での口座開設もできなくなる
不正利用による口座凍結の場合、新規での口座開設も難しくなります。一度犯罪に利用された口座は、預金保険機構によって公示されます。
金融機関に情報が共有されるため、他の銀行でも新規契約を断られる可能性が出てくるでしょう。
預けた預金が分配される場合がある
凍結された口座の預金残高は、犯罪被害者に分配されることになります。直接犯罪に関わっていなくても、預金が戻って来なくなる事態が起こりうるということです。
口座を利用できなくなるうえに自分の預金まで無くなってしまえば、今後の生活に大きく影響することが安易に想像できます。
警察から事情聴取をうける可能性がある
口座凍結されると、警察から事情聴取を受ける場合があります。闇金業者と関わりがないか、不正行為に加担していないかなどを調べるためです。
正直に答えたら問題にはなりませんが、多くの手間や時間を取られてしまうでしょう。
闇金からの借金に利用した口座は早めの解約を
上記で紹介したように、自分の口座が凍結されると日常生活でさまざまな影響を及ぼします。闇金から借金をした際に利用した口座は、なるべく早く解約すべきです。
仮に返済が終わっていても、闇金業者に口座番号が知られている以上どのタイミングで不正利用されるかわかりません。関係を断ち切るためにも、なるべく早く口座を解約しましょう。
また客振りに使われたどうかは、振り込み人の名義で確認できます。闇金業者は、融資に利用する口座名をフルネームではなく苗字で設定している場合がほとんどです。そのため返済先の口座名義がフルネームであれば、客振りに利用されている可能性が高くなります。
最近では、「フルネームの名義でなければ利用できなくなった」など嘘をついてくる業者もいるので要注意です。
闇金を利用する前に債務整理を検討しよう
今回紹介したように、闇金を利用するリスクはとても高いといえます。不正利用を疑われて口座凍結されてしまったら、その後の生活に大きく影響するでしょう。
「借金の返済に困っていて生活が苦しい」という方は、闇金業者からお金を借りる前に債務整理を検討してみてください。
債務整理には、全部で4種類の方法があります。
過払い金請求 | 払いすぎた利息を返還してもらう |
任意整理 | 借金の減額や金利の見直しを交渉し、生活に支障のない範囲での返済を目指す |
民事再生 | 裁判所に申し立てを行い、住宅を残して借金の減額や支払い期限の猶予を目指す |
自己破産 | 車や家など高価な資産を手放すことにより、借金の支払い義務が免除される |
債務整理をしても全ての口座が凍結されるわけではない
前述したように債務整理をすると、口座が一時的に凍結されてしまいます。しかし凍結されるのは債務整理の対象である銀行口座のみで、犯罪に利用された場合のように全ての口座が凍結されるわけではありません。
また別の銀行であれば、債務整理後にも新規での口座開設は可能です。このように闇金に借金して口座凍結された場合に比べると、債務整理による口座凍結はその後の生活に影響しにくいと考えられます。
債務整理を弁護士に依頼するメリット
債務整理を検討している場合は、弁護士などのプロにお任せしましょう。弁護士への依頼費用相場は数十万円と決して安くはありませんが、それでも自己破産をした人の85%以上が弁護士への依頼を選択しています。(※)
※参考:日本弁護士連合会「2017年破産事件および個人再生記録調査」
弁護士に相談すると、以下のようなメリットがあります。
【弁護士に債務整理を相談するメリット】
- 過払い金などが返ってくる可能性がある
- 裁判所との手続き書類が弁護士の元へ届く
- 裁判に同席してくれる
- 債務整理に関して無料相談できる法律事務所もある
過払い金などが返ってくる可能性がある
債務整理の一つである過払い金請求によって、払いすぎた利息などを返還してもらえる可能性があります。
過払い金が戻ってきて残りの返済が可能となり、自己破産をせずに済んだケースも少なくありません。
裁判所との手続き書類が弁護士の元へ届く
弁護士に相談すると、裁判所からの書類が自宅ではなく弁護士事務所に届くようになります。
手続き自体もスムーズに完了するので、家族や周囲の人に債務整理がバレる可能性も減るでしょう。
裁判に同席してくれる
債務整理を弁護士に依頼すると裁判への出頭にも同席してくれるので、精神的な負担を減らせます。
お金の問題を相談し解決へ協力してくれる専門家が近くにいてくれるのは、非常に心強いはずです。
債務整理に関して無料相談できる法律事務所もある
債務整理の依頼費用はかかってしまいますが、初回相談は無料で行っている法律事務所も数多く存在します。
まずは弁護士へ相談し本当に債務整理が必要なのか、債務整理をするとどのようなメリット・デメリットがあるのかなど、詳しく話を聞いてみてください。
無料相談の中で解決の糸口が見えてくる場合も、少なくありません。
まとめ
今回は闇金から借金して口座凍結された際の対処法や、口座凍結にいたる理由について解説しました。
自分名義の口座が凍結されると、その口座だけでなく他の銀行まで利用できなくなる可能性があります。
場合によっては、犯罪に加担していたのではないかと疑われることもあるでしょう。
口座凍結は今後の生活に大きな支障をきたす問題なので、なるべく早く解決できるように弁護士や司法書士に相談してみてください。
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